展覧会の舞台裏−仏像の梱包・輸送作業−

 特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)




↑この白いカタマリ、なんだかわかります?

じつはこれ、仏像を梱包したところなのです。


↑写真は「平福寺・阿弥陀如来坐像(長野県宝)」

今週から展示物の集荷作業が本格的にスタート。
この三日間は、美術品輸送の専門スタッフの皆さんとともに、長野県内のお寺や神社、博物館などから貴重な所蔵品の借用に奔走します。
この作業は、展覧会準備のヤマ場のひとつでもあります。




↑輸送トラックに同乗。
車内で図録の校正を始めるもはかどらず、しばし伊那の山並みに癒されたりして。



冒頭の仏像のように、お預かりした貴重な所蔵品は、輸送中にこわれないように大事に梱包されて、展示会場まで運ばれるのです。




↑トンボもちょっとひと休み(諏訪湖畔にて)

今日は「諏訪湖旅情編」でした。

明日は「善光寺参り編」です。

2013.10.22 Tuesday | 今日の美博trackbacks(0)

白馬に乗ったお地蔵さま

 
 特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)



↓「白馬の王子さま」ならぬ、「白馬のお地蔵さま




↑ふだん道ばたで見かける愛らしいお地蔵さまと違って、こちらは武闘派。
勝軍地蔵」(しょうぐんじぞう)と勇ましい名前が付いております。

愛宕さま」(あたごさま)と呼ばれる神さまの正体でもあります。

「いつか白馬に乗った王子さまが現れて自分を変えてくれるかもしれない。」

そんな女性の潜在的願望を「シンデレラ・コンプレックス」と呼ぶそうですが、そういう女性の目の前に、白馬に乗った王子さまならぬお地蔵さまが現れたら、どうリアクションするんだろうか?

いまどきは「仏女」(ブツジョ)と呼ばれる女子の皆さんもいらっしゃるので、もしかしたら地蔵さまだって恋愛のストライクゾーンに入る女性も稀にいるんじゃないかと思ったりするわけですが、そうはいっても王子さま以上に予想のつかないところから剛速球が飛んできたみたいで、ちょっと戸惑っちゃいますよねえ、たぶん。

でも、そのお地蔵さまに懸命にお願いすれば、「白馬の王子さま」を連れてきてくれるかもよ。

保証はしませんが。

 

 

(写真は「五所権現本地仏曼荼羅」(部分)善光寺大勧進蔵)

 

2013.10.21 Monday | 今日の美博trackbacks(0)

弁才天−前衛的なヘアースタイル?

 特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 
平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)


今日はあいにくの雨で「南信州獅子舞フェスティバル」が中止。
いっぽう2日間続いた民俗芸能学会が無事終了しました(明日は見学会ですが)。

さて、ここ伊那谷は民俗芸能の盛んな土地柄ですが、芸能の神さといえば「弁天さま」。
七福神の紅一点としてもおなじみです。



↑弁天さま、ちょっと不思議なヘアースタイルでは?

いやいや、実はこれ、髪の毛ではありません。
体が白ヘビで頭が人という、奇怪なすがたの「宇賀神」という神さまを頭の上に載っけてるんですね。

髪を盛ってるわけじゃありません。
しかし頭上にとぐろを巻いたヘビを載せるという発想、普通じゃありません。

ヘビの苦手なぼくにとってはほとんど罰ゲーム状態ですが…
でも宇賀神さまは豊穣をもたらす神さま。
弁天さまとのタッグは最強の組み合わせでもあります。



↑しかもときどき優秀な部下が付いてきます。
(場合によってはこの子たちは留守番かも…)

今年はヘビ年
展覧会が終わってお堂にお帰りになったらしっかりお参りしておこうかな。
その頃にはもう年末だなあ。



↑飯島町の西岸寺の弁天堂からやってきます。


(上の写真2点は「弁才天十五童子像」飯島町・西岸寺)

2013.10.20 Sunday | 今日の美博trackbacks(0)

満月に映るホトケ?

特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)
 

今日の美術博物館は、民俗芸能学会やプラネタリウムでのオーロラ上映会やらイベント盛りだくさんでした。

わたくしめは、館内のにぎわいをよそに、黙々とパソコンの前で展示の準備。
展示室内を飾る解説パネルを作っておりました。

↑今日は満月

ん? これホントに月か?
ウサギっていうか、ホトケさまが映ってるぞ。
上になんだか輪っかみたいなものが付いてるし。

実はこれ、「懸仏」(かけぼとけ)という仏具をモノクロ加工した写真。
展示に使おうと思って。
現物だけだとホトケさまのすがたがわかりにくいので。

ちょっと月みたいでしょ。
ウサギがついたモチは、ホトケさまのお供え物になったりして。

そういえば、今日は満月のはずだけど、あいにくの天気で拝めず。
代わりに満月に映るホトケさまでも拝んでくださいな。




↑辰野町の七蔵寺からお借りします。

現物は辰野美術館にて寄託中。
お寺のほうは、紅葉の時期に行くと感動すると思いますが、深い山中にあって、境内まで細いダートの道が続くのでバイクか軽トラでないとムリかも。

ぼくも総代さんの軽トラに同乗して案内していただきました。

(※上の写真は「御正体(懸仏) 長野県宝 上伊那郡辰野町・七蔵寺蔵」)

2013.10.19 Saturday | 今日の美博trackbacks(0)

摩利支天の乗り物−イノシシたちの運動会

特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 
平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)



運動会のシーズンですね。
個人的にはあんまりいい思い出はありませんが。

さて、摩利支天(まりしてん)という仏教の守護神。
イノシシに乗って素早く移動するので、捕まえることはおろかそのすがたを見ることもできない女神であります。

↑摩利支天像の台座の一部。金色のイノシシです。

運動会で徒競走をさせたら一等賞を取りそうなイノシシですが、こんなにゾロゾロ肩ならぬお尻を寄せあってて大丈夫なんでしょうか。



↑前からみたところ

これで本当に前に進めるの?
操縦不能になってしまうのでは?
少なくとも後ろに向かって進むことはなさそうだけど…。



↑後ろからみたところ


いやいや、そこはやっぱり女神さま。
天上界の大決戦「阿修羅VS帝釈天」にも参戦し、月と太陽を隠してしまうほど。
運動会レベルのハナシじゃありませんて。
イノシシを操るくらいどうってことない。

しかし、足がいっぱいですねえ。
いったい何本あるんでしょうか?

こんなイノシシに乗った女神さま。
どんなお姿なんでしょうか。
展覧会場でご覧いただききましょう。



↑摩利支天は開善寺(飯田市)の鎮守様です。

※写真はいずれも「摩利支天坐像(部分) 飯田市・開善寺」

2013.10.18 Friday | 今日の美博trackbacks(0)

馬を駆る聖徳太子とママチャリと

特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 
平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)


今日の午後は展覧会のポスターの配布作業でした。

ママチャリを駆って飯田の町をグルグル。
カゴからあふれそうなくらいポスターとチラシを詰め込んで。
秋風が気持ちよくて、そのままどこかに出かけたくなる気持ちを抑えつつ…



さて、自転車の無い時代の乗り物といえば、「」。

この馬を駆る少年は誰?

かの「聖徳太子」であります。

高額紙幣からもすがたを消し、いまやその存在すら疑われて少し肩身の狭い聖徳太子ですが、
古くはカミやホトケのごとく信仰を集めてきました。

信仰の対象となった歴史上の偉人の代表格といえます。
天神さまとともに展覧会にお出ましいただきます。

聖徳太子の愛馬は甲斐の国(山梨県)から献上された黒駒で、富士山をひとっ飛びしてわずか数日で諸国をめぐったという伝説があります。

ぼくが今日乗ったママチャリでは到底無理なハナシですね。
たとえ電動アシストの付いたハイテクマシーンであっても。


                           
                            
(写真は「聖徳太子(馬上太子)像」 個人蔵 ※部分)
2013.10.17 Thursday | 今日の美博trackbacks(0)

諏訪大社にあった五重塔


特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)


10年に一度といわれる大型台風は、猛威をふるって各地に爪跡を残した模様。
被害に遭われた方々に対しましては、心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回の展覧会のサブタイトルは「廃仏毀釈の爪跡」。
何だ、壊れたホトケさまや建物の一部を展示するのか?
そう思われる御仁もおられようかと。
 


(諏訪大社上社神宮寺五重塔風鐸 北真志野区蔵 諏訪市指定有形文化財)



(諏訪大社上社神宮寺五重塔露盤残欠 諏訪教育会蔵 長野県宝)


これらは、かつて諏訪大社(上社本宮 諏訪市)にあったという神宮寺の五重塔の部材。

明治の神仏分離の折に奈良・興福寺の五重塔が売りに出されたというのは有名な話。
さいわい、興福寺の五重塔はいまでも参拝できるけれど、残念ながら、諏訪大社のそれは解体されてしまいました。
で、残ったのは図面と、このわずかな金物のみというありさま。


これこそ「廃仏毀釈の爪跡」。


F・ベアト(幕末〜明治にかけて日本に滞在した英国人写真家)みたいな人が、神宮寺の写真を撮って残しておいてくれるとよかったんだけど。


写真って大事ですね。
そう思って家族の写真は防災グッズと共に保管しております。











 

2013.10.16 Wednesday | 今日の美博trackbacks(0)

100%ホトケ

 特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)

巷は三連休だったんですねえ…
世間のにぎわいをよそに、今日はせっせとポスター・チラシの発送作業。

ところで、この展覧会では、カミなのかホトケなのか、はっきりと区別できないようなお像にたくさんお出ましいただくことになっております。
いっぽう、これはっからどうみてもホトケさまでしょう、っていうお像にもお出ましいただきます。




↑いわゆる”阿弥陀さま”です
(阿弥陀如来坐像 岡谷市・平福寺蔵 長野県宝)


部分しかお見せしませんが、100%ホトケさまですよねえ。
チラシには全身写ってますけど…
http://www.iida-museum.org/user/human/kami-hotoke.pdf


ホトケの世界には「如来」「菩薩」「明王」「天」と大きく4つのカテゴリーに分けられます。
とくに「如来」はホトケの世界の頂点、ホトケの中のホトケ、なわけです。


この独特なヘアースタイル!
これぞホトケの中のホトケ!って感じ。
リアルにこういう髪型の人がいたら、思わず手を合わせてしまうかも。

実はこのお像、わたくしの処女論文の題材にさせていただいた思い出深いお像であります。
もと諏訪大社下社神宮寺の仏像。

これ以上説明すると今後のブログネタがなくなってしまうので、今回はこの辺で失礼。


↑阿弥陀さまは、諏訪湖にほど近い(そんなに近くないかな?)、岡谷市の平福寺様からお出でいただきます。




2013.10.14 Monday | 今日の美博trackbacks(0)

日々是校正

 特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)


展覧会の図録をつくっております…。

五月雨式に校正が手元に戻ってくる。
校正校正日々校正…

悔いの残らないよう何回校正しても、やっぱり発見される誤字脱字。



↑二校目。まだ赤いなあ…。







↑ここはどこ?

美術博物館から一歩外に出ると、いろんな景色が楽しめて飽きないです。







2013.10.13 Sunday | 今日の美博trackbacks(0)

ポスターとチラシができました!!


特別展「カミとホトケの交渉史―廃仏毀釈の爪跡―」
 平成25年11月10日(日)〜12月8日(日)


気がつけば、展覧会まであとひと月を切っておりました。




↑ できあがったチラシ。

おかげさまで、いまのところ大きなトラブルやハプニングもなく、準備は着々と進んでおります。
展覧会にお出ましいただく神さま仏さま方が、暖かく見守ってくださるお陰かもしれません。
勝手にそう思ってすっかり大船に乗ったつもりでおります。
神さま仏さま、誠に勝手なお願いで恐縮ですが、展覧会が終わるまでいましばらくお付き合いくださいますよう…。

ダウンロード用のチラシ(PDF)がありますので、活用くださいませ〜。
http://www.iida-museum.org/user/human/kami-hotoke.pdf






今日も飯田はいい天気(美術博物館のバルコニーにて)




2013.10.12 Saturday | 今日の美博trackbacks(0)

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